甲状腺機能低下症の症状や検査について紹介します。肥満、高脂血症、貧血などの合併症がある場合は、食事療法をします。甲状腺の機能が低下して、甲状腺ホルモンが出なくなる病気です。
甲状腺機能低下症とは甲状腺ホルモンが不足しておこる病気です。女性に多く年齢とともに増えます、遺伝する傾向もあります。ほとんどが橋本病によるもので、慢性甲状腺炎とも呼ばれています。橋本策博士により発見されました。甲状腺は首の下方についている小さなハート型の臓器です。甲状腺から出る甲状腺ホルモンは、生きていくために必要な、いろいろな臓器を調節しています。甲状腺ホルモンが少ないと、体の臓器の働きが鈍くなります。脳が働かずに眠気が強くなったり、物忘れが多くなります。話し方もゆっくりになり、やる気もでません。腸が働かずに便秘になり、体温を保てないため寒がりになります。卵巣の機能が低下し、心臓の動きもゆっくりになります(徐脈)。また足やまぶたがむくみ、唇や舌が厚くなることがあります。髪の毛や眉毛が薄くなることもあります。甲状腺は、正常の状態では頭から命令を受けて、甲状腺ホルモンの量を調節しています。橋本病は、甲状腺の組織を攻撃するような物質(甲状腺自己抗体)が体の中に出現します。この甲状腺自己抗体によって甲状腺の組織が崩壊していくことが慢性甲状腺炎の原因になります。なぜ甲状腺自己抗体が出現するかは不明ですが、他の自己免疫性疾患(自分の体を攻撃してしまう物質が出来てしまう病気の総称)と合併することが多く、遺伝的なものも原因の一つではないかと考えられています。
甲状腺が全体的に腫れてきます。甲状腺機能の低下が軽い場合には、外見からはわからず、気づかずに過ごしていることも少なくありません。物忘れや無気力、居眠りなどがみられます。機能低下の程度が著しくなりますと次のような症状が出てきます。むくみが出ます。押してもへこんだままにならず元に戻る特徴があります。まぶたがむくみ、唇が厚くなり、舌が大きくなります。喉頭にむくみがくると声がしわがれて低音になります。皮膚は乾燥してカサカサになります。髪は白髪が増え,抜けやすくなります。眉は外側1/3が薄くなります体の中の熱をつくる力が低下しますので、寒さに弱くなります。夏は暑さをあまり感じなくなり、汗もかきにくくなります。食欲がなくなりますが、むくみのため新陳代謝が低下してエネルギーの消費が減るため体重は減ることはありません。月経過多、筋力低下、こむら返りなどの症状がおこりやすくなります。心臓も活動が低下して徐脈になる。心臓への粘液状物質の沈着も見られ、不整脈の原因となる。問題となる症状は早老による動脈硬化などである。
血液中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定をすることで診断できます。また橋本氏病が疑われる場合には、甲状腺の働きの検査に加えて、甲状腺の抗体検査を行います。甲状腺の働き具合を見るために、甲状腺刺激ホルモン(TSH)や甲状腺ホルモン(FT3、FT4)などを調べます。最近はRIAという測定方法による甲状腺抗体を調べる検査が主流です。TgAb(抗サイログロブリン抗体:橋本病の手術時の組織検査で陽性率82%)をまず調べ、これが陰性の時はTPOAb(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体:同56%)を検査するのがよいと言われています。治療方法は、内服療法で不足している甲状腺のホルモン剤を内服します。薬は数カ月から数年の間だけ飲んだら後はいらなくなる人もまれにありますが、多くの場合は一生薬を続けなければなりません。治療薬の副作用としては、甲状腺ホルモンはもともと体の中にあるものですから、適量なら副作用の心配はありません。食事は、検査の前などに特別にヨード制限食とすることがありますが、日常の生活では特に制限はありません。